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 育成テクニック

このコーナーではほとんどの植物に対して有効であるテクニックを随時追加して参ります。

 第1回 「葉水」ハミズ 

葉水を行うとプラントが活性化します。葉水とは葉に直接水を霧吹きなどで掛ける事で葉から水分等を吸収させたり、葉に付いたホコリ等を洗い落とす事です。
葉水の水分吸収の有効性は簡単に実験出来ます。
葉を2つ切り取り、1つをそのまま放置し、1つは葉の部分のみを水につけます。
そのまま放置された葉は数分で萎れてしまいますが、水につけた葉は青々としており全く変化が見られません。
このように葉面から吸水能力は考えている以上に高いものである事が分かります。
そして葉は水分だけでなく養分も吸収します。
水耕栽培では特に不足ぎみな微量元素などは全体に散布する事が効果的です。
ソイルによる栽培でも葉の艶が良くなります。
カルシウムは植物内での移動が遅く葉先まで行き届かない事があります。
この場合は葉先が黄色くなる現象が起こります(他の要因もある)この場合もカルシムを含んだ溶液を葉水する事で供給する事が可能です。
また、葉水は水分や養分を与えるだけではなく、夏場などの気温が著しく高い場合には水が蒸発する事で熱を奪い(気化熱)、プラントを冷やす役割も果たします。
葉水専用の溶剤もあり、ダッチマスターのGold Range Saturator B'Cuzz FoliarBoost B'Cuzz Foliar Ca/Plus Mg/Plusなどになります。
他にもよく使われている溶剤としてBotanicare Cal-Mag Plus GH CaliMagic EmeraldTriangle Magnumなどがあります。

最近の研究結果で植物は水を感知すると葉の裏にある気孔が閉じ、完全に開くまでに1日近くかかるということが解ってきました。
植物は気孔が閉じている間は、葉緑体が光合成を行こなえません。
時間の経過とともに徐々に気孔は開いてくるにしても葉水をしたその1日は光合成能力が著しく低下すると考えた方がよいでしょう。
しかし光合成の事だけで考えると葉水はしないほうが良いと思いますが、足りない養分はやはり与えなければなりません。
鉱物系の微量元素などは、葉から効率よく与えたいですね。
つまり、葉水は出来るだけ必要な分だけ与え、与えるタイミングとしては夕方や照明が消える4時間ぐらい前からが効率が良いという事になります。

葉水の回数を多くして、効果が出る場合、施設内の湿度が低いなど他の環境に左右されている場合もあります。
育成環境は葉水一つで語れるほど単純なものではありません。
理屈は合っているのに結果が出ない場合は他の要因も調整してみてはいかかでしょうか。

スプレーボトルは園芸用品の中で一番清潔にしていないといけないものです。
熱湯、洗剤、殺菌剤などで十分に洗ってから使用してください。

注意)どの様な植物でも花に水を掛けると花が痛みます。
 

 第二回 スケジュールと調整について

色々なメーカーから様々な肥料や活力剤が発売されています。
それらを購入した時に付いているスケジュール表、これを頼りに植物を育てていくわけですが、間違った見方で育ててしまうと大事な植物を枯らしかねません。そこで今回はスケジュールについての基礎知識と調整についてです。

スケジュールは全ての植物に対応している訳ではなく、またある程度何の種類にでもそこそこ合う様に作られています。
ほとんどのメーカーの発行するスケジュール表は育成期/開花期のある花や実を付ける例えばトマトやきゅうりなどが基本となっています。
ひとつ葉物を例に上げて考えてみましょう。通常のスケジュールで育ててもたぶん育ちません。
そこで葉物の成長を考えてみて下さい。サラダ菜やレタスなどの葉物は花が咲く前に葉を食べていますよね。つまり生長期で収穫しているのです。
と言う事は、スケジュールの生長期だけの部分だけ見て育てればいいのです。収穫前には真水で肥料抜きすればより美味しく召し上がられます。まず自身の育てる植物がどんな成長過程を経ていくのかしっかり調べてから始めましょう。

GHEのスケジュールを例に解説してきます。
GHEは3本それぞれの肥料配分を変えることによって様々な植物に対応する3パートと呼ばれるケミカル肥料です。



ml/10L
まず左上のml/10Lですが、希釈倍率です。この場合10リッターに対して何ミリリットルということです。

週(Week)
次に週ですが初心者の一番多い失敗はここをよく間違えて解釈してしまいます。
ここでこのスケジュールの意図する週というのは、人間のカレンダーの1週間2週間の意味ではありません。植物の状態のことです。
例えば、人間の赤ちゃん、お医者さんに妊娠3ヶ月目と診断さたとします。
この妊娠3ヶ月という診断結果ですが受精が何時という時間の問題ではなく、赤ちゃんが3ヶ月目の状態ということを意味しています。
それと同じでこのスケジュールも植物の状態が何週目にあるか?が重要なポイントとなります。
屋内での栽培場合、屋外とは違い個々の育成環境により成長速度が異なります。
順調に成長すればよいのですが、3ヶ月で収穫予定の植物も環境により5ヶ月かかることもよくあります。
光量不足、肥料過多/欠乏、害虫や根腐れ等のダメージで遅れる原因は様々です。
しかし植物は状態が遅れても遅れたなりに育っていきいます。この遅れにうまく対応していかなくてはいけませんがそのままスケジュール通りともいきません。
そのままいくと環境にもよりますが最悪枯れたり、枯れないにしても思ったような結果には結び付きません。
例えば実際開花反応から1ヶ月経っていたとしても何かの原因でプラントが2週目の状態であると判断するなら、もう一度、2週目のレシピを繰り返すなどの状態に合わせた調整が必要です。
原因には品種や種類、個体差、特性差、亜種などの植物の遺伝子的な作用も含まれます。
よ~く植物の状態を観察して今このプラントが何週目にあるのか?を自身で判断して施す肥料を決めて下さい。
この判断の速さと良し悪しが、技術つまり腕の差と言われています。

時期
時期は目安です。言葉で簡単にその時の植物の状態を表しています。あくまでもトマトやきゅうり、花などが基本です。

肥料
緑、茶色、赤に色分けされているグロウ/マイクロ/ブルームは希釈の際の肥料分量です。縦軸の時期と週に照らし合わせて配分を決めます。この施肥分量、これもあくまでひとつの目安です。
育てている植物が大きくなればなるほど時期に関係なく肥料を多くしなければなりません。
最終1mのトマトと2mのトマトでは時期は同じトマトでも肥料濃度は当然のように異なります。そして果実や花実の数も肥料濃度に大きな影響を与えます。
肥料濃度は植物の種類や時期によって大食いしたり、ほとんど必要なかったり大変普遍的なものです。また温度によっても肥料の吸収力が違うため、そのあたりの変化も気にして調整することが求められます。
より沢山より品質の高いものを育てようと思うなら肥料の調整は必須となり、その分量を決める軸となるのはスケジュールでも生産者でもなく、植物の状態なのです。
ちなみに当店でGHを使用され蘭を育てているユーザーには標準レシピよりもグロウとマイクロを少し薄くした方が調子が良いと方もおられました。
基本、肥料は薄めからです。沢山与えれば良いというわけでもありません。じょじょに濃度を高くしていき、その植物が欲しがっている時期に合わせて適量を施すことが出来るなら上手く成長させられるでしょう。
特に水耕の場合、肥料過多になりやすいので注意が必要です。

活力剤
最後に活力剤ですが、使えば何かしらの効果は必ずあります。
このスケジュールではRipen(肥抜き剤)BioRoot(発根剤)BioProtect(防病剤)BioBloom(開花促進肥料)DiamondNecter(免疫強化剤)MineralMagic(各種ミネラル)となっていますが、他のメーカーには風味向上剤やビタミンなどもあります。それらを付け加えるのも可能ですし、マニアックなユーザーの中には違うメーカーの発根剤や開花促進剤をブレンドして、濃度調整して与えたりしています。
特に活力剤はメーカー指定のものでも他のメーカーのものでも希釈量さえ調整すればよいので、使う活力剤の特性だけ理解していれば、選択肢はかなり広がります。
育成に慣れてきたユーザーのほとんどはメーカーで揃えるのではなく、いろんなメーカーのお気に入りの活力剤を組み合わせて使っています。
 

 第三回 光の使い方


植物にとって一番大切な要素のひとつです。室内栽培で光量、つまり光の強さはすべての基礎となり、育成株数、施肥量、潅水の回数などに大きく関わってきます。
どんなに美味しい実をつける植物でもどんなに綺麗な花を咲かせる植物でも光がなければ育つことはないでしょう。
しかもそれだけではなく光の照射時間も植物に大きく作用しています。
一年草のほとんどは光の当たっていない時間に反応して花や実を付けたり何かしらの変化を始めます。
葉物などのサラダ菜や白菜などもアブラナ科の植物も大きな意味では同じです。ただ、花が咲く前に収穫してしまう為、花を見ることはなく終えてしまうからです。また室内栽培の場合照射時間を変えない限り、簡単には咲きませんのでまず見ることはないでしょう。

照射時間
これらをふまえると照射時間と光量のコントロールが室内栽培のテクニックの中でもどれだけ重要な要素なのは一目瞭然です。
いちごやトマトなどの実を付ける植物の場合、あれ~??花が咲かないなぁ?などと思われている方、肥料の濃度や温度を疑う前に照射時間の調整を行う必要があります。
スケジュールでは生長期18時間照射-6時間消灯などと決められていますが、これは効率の良さから決められていることです。
例えば自然のサイクルで育てることもひとつ可能です。何の根拠もありませんが、温度や湿度なども含めてそのほうが美味しいものが出来ると説もあります。
基本は対象の植物に適した環境に合わせて照射時間をコントロールしてやることです。
屋内栽培の場合光のコントロールはタイマーで行いますのでスイッチひとつで簡単に行えます。やらない理由は見当たりませんよね。

光の強さ
次に強さについてです。屋外は太陽が中心となります。屋内では照明器具がその役割を担い、波長の問題から植物専用のものを使用するのが好ましいとされています。
当たり前ですが、光はHPS/MHみたいな高出力なものでも蛍光灯でも、はたまたLEDでも照射対象から遠く離せば離すほど弱くなり、近づければ近づけるほど強くなります。
室内栽培の場合、一般的には高さに制限があり大きく成長させるのは難しく、肥料の濃度も高くなることから背丈を大きくさせることは望まれてはいません。
しかしそれだけではなく背丈を高くするとランプと植物の距離が離れていき、どんどん光量を失っていく、このことがのちのちの成長不良を起こしていく根本の原因となります。
光量が足りないばかりに成長が遅れたり、徒長して無駄に大きくなり、その結果スケジュールから外れていき、施肥のタイミングは無茶苦茶、そして最後は肥料焼けや欠乏に悩まされ、枯れたり収穫出来ても少量、低品質という話をよく聞きます。1000wのような非常に高出力なものを使わない限り、いや使ったからと言って絶対と言うわけでもありません、ともかく器具の出力に関わらず光の使い方を誤ると思ったような収穫や感動は得られません。また器具の電源接続方法の間違いや複数の照明器具を使った場合の電源問題、タコ足配線などからくる電圧不足でも光量は低下します。照明器具は点灯すれよいと言うものではありません。その性能を十分に発揮しているのか?設置、接続方法を正しく行われているのか確認する必要があります。

光量が足りなくなる原因

・器具が照明用。
・育てる対象植物の求める光量に対して根本的に器具の出力が足りていない。
・対象植物の成長時期に波長が合っていない。サラダ菜にHPSや赤の波長が多い照明器具、もしくは実を付ける植物で着実の時期にMHや青の波長の多いものを使っている。
・ランプが対象植物から離れている、もしくはランプの出力に対して株数が多くなってしまい必然的に目安の照射範囲よりも広げてしまった。
・疲労によるランプの出力低下、メーカーによってかなりの差がありますが、あるランプ製造メーカーのスタッフの話では1年12時間点灯で2~3割程度、その後は比較的緩やかに5割程度まで出力低下、最終的にそのあたりが各メーカの定めている規定の寿命だろうと言われていました。またランプには出力にバラつきがあって安価なものほど、その差が大きい傾向にあるとも話しておられました。
・電子安定器の消耗による出力低下、もしくはタイマーや電源の電圧不足による出力の低下。
・フットボール方のランプで点灯方向を間違っている。

-例-

スペースが制限される室内栽培の場合、AよりもBの栽培方法の方がはるかに効率が良いとされています。
Aは無駄にプラントを大きくしまう傾向にあり、時間効率も非常に悪くなる可能性があることから、屋内には向いていません。
一方、Bはプラント数はAより少ないですが、十分な光量が得られる為、収穫時期までが短く肥料の配分やタイミング、なにより育成そのものがやり易くなります。
結果的に一年間の収穫数が変わり、メートルあたりの収穫量ははるかにBの方が上ということになります。

誰しもがせっかく育てるからには沢山美味しく収穫したいと考えるのは当然です。
しかしその結果、過剰な光量の照射や過剰な株数の育成、高濃度の液肥、早すぎる収穫、必要のない剪定などやってはいけない行為に及んでしまい、取り返しの付かない色々なトラブルを引き起こしてしまいます。
沢山美味しく収穫する為には鋭い観察力と高い技術、豊富な経験となにより愛情が必要です。
一回や二回やって簡単にわかる程、農業はあまくありません。しかし好奇心と探究心を持ってやり続ければ必ず、わかる日が来るでしょう。

特殊なランプ

1000wだけが使える特殊なランプ。
今のところメーカーから発売されているのは1000wのみのHPS/MHを同時に点灯させるコンバーチブル球。
マニア色が強そうですが実用向きな要素も、移行期や開花期後半、ランプ複数使いのアクセントなど、使い方で可能性は無限大です。


紫外線を多く照射するランプ
開花期後半だけ使用する紫外線を中心に照射する特殊なランプも発売されています。
サンパルス10Kと言う製品ですが、紫外線を収穫前に照射するとある一定の効果(品質向上)が見込めると言われています。
他にもサンパルスは成長期と移行期、幼苗期と細かくわけ、通常のランプの成長期、開花期に比べ、さらに多様な植物に対応できるようになりました。

 

 第四回 空気

植物の成長にとって不可欠なものの一つに空気があります。
施設栽培では温度、湿度、換気、循環、濃度の全てをコントロールし、植物にとってもっとも過ごしやすい(効率の良い)環境を作ることが必須です。
植物はある程度、環境に応じて成長しますが、一番その植物に適した環境があると思います。
しかし理想の環境と言っても、細かいところは未だに解明されているわけではなく、環境や個体差もあり、細胞レベルでの研究がまだまだ必要な世界です。
全ての環境がコントロールできる植物工場から、レシピみたいなものが出来るのはまだまだ先のようですね。

それでは効率ばかり追えばいいのか?というとそれはそれ、美味しいものを作るのと効率とは別の話となります。
例えばバナナなど果実は温帯な気候で育っているイメージですが、高価な糖度の高い、特別なバナナは標高の高い地域で低温でゆっくり育てているようです。
通常のバナナと比べると、倍近くの育成期間をかけて作っています。
条件を整えると成長スピードは早くなりますが、質の向上はまた別の話、早く育てると収穫量は上がりますが、味や香りの向上には繋がらないようです。
水耕の方は効率重視、オーガニック栽培の方は品質重視と栽培方法と目的が異なる場合、効率以外のことも考えて育成しなければなりません。

一般的な植物は昼間、光合成を行っているときは二酸化炭素を吸収して酸素を出していると言われています。
それとは別に植物自体も呼吸するため、常に二酸化炭素も出しています。
よく二酸化炭素を吸って、酸素をだしていると言われていますが、夜は全く呼吸だけなんですね。
しかし植物の光合成で作られる酸素量は昼間、夜間を含めた二酸化炭素の生成量を上回りますので、結果差し引きすると酸素が多いということなんです。
植物ってよくできてます。

最近の研究では、この葉緑体と気孔の働きを観察することが可能となり、色々なことが解ってきました。
葉緑体と気孔の働きにより、植物自身が作り出す光合成の能力はプラントの環境により大きく異なるそうです。
例えば水を感知すると気孔が閉じ、再び開ききるまで約1日程度、光合成能力は落ちたままとなります。
また、強い風を感じたり、揺らされたりしても気孔は閉じるようです。
気孔が開くと、植物は光合成をするのと同時に培地の栄養分や水分を吸い上げます。
気孔が開かない限り、根が栄養を吸い上げることはないようです。

植物は色々な外部環境の影響により、気孔が開いたり閉じたりすることで、光合成能力は常に変化しています。
気孔は開いたほうが効率は良いのですが、結果に結びつくのは他の要素も揃い、状態が良いことが前提となります。
何かの欠乏症状が出ているプラントなどは状態が悪くなるのが早くなるだけです
まず、欠乏症状がでたら、気孔のことよりもその状態改善に重点を置いて育成しましょう。
つまり、限られたスペースでの育成では、栽培者が気孔をいかにコントロール出来る環境を作れるかが、重要となってきます。

光合成の働きを大きく担っている葉緑体の数は多いほど良いとされていますが、その数は育成環境により異なることが解ってきました。。
いくら光量があっても葉緑体が少なく効率が悪いと、葉は大きくなる傾向にあり下葉にも光が当たらず剪定しなければなりません。
ソーラーパネルは大きいほうが良いと思っていましたが逆でしたね。
一概には言えませんが、効率が悪いので大きくなるみたいです。
環境さえしっかり整えてやれば、無駄も少なく手間もかからず、育成は順調となり一石二鳥です。

順調な植物の育成には空間、全ての環境が密接に影響し合っています。
施設内で植物を育てるには植物が育ちやすい環境を作ることが栽培者の仕事となります。
環境とは空気だけではなく光、水など育成に必要な全てをバランスよく整えることです。

温度について・・・
植物に快適な温度は種類によって違いますが、植物が光合成を行える育成温度は大体18-26℃といわれ、それぞれ生存できる限界の最高/最低温度があります。
この範囲に温度を維持調整することが栽培においては必須です。
厳密に言うと最適な温度や限界温度は植物の成長過程において変化していきます。
特に開化期後半から収穫期などは抵抗力が落ちるため、高くても低くてもダメージを受けやすくなります。
逆に、成長期から移行期などは成長過程において丈夫な時期ので、少々高くても低くても大丈夫だったりします。
同じように肥料や光に対する抵抗力(吸収力)も植物の成長過程で変化していきます。
また、湿度、風の循環量や当たり方など他の環境に左右されるので、肥料と同じく、植物の状態を観察しながら調整するのがよいでしょう。

温度のコントロールはエアコンと換気ですが、屋内ではエアコンが一般的です。
エアコンも一年中付けていると、汚れ、特にカビなどが酷く、ちゃんとメンテナスをしていないとカビを部屋中にまき散らす温床となってしまいます。
電気代も無駄にかかるので、定期的に点検し必要なら掃除をしてください。
屋内において換気で温度を下げるのは冬場しか出来ませんが、同時に行えば一石二鳥です。

よく、エアコンの設定温度を24℃に設定しているので大丈夫という話を聞きますが、本当に24℃になっているのでしょうか?
おそらくライト直下の温度は30℃以上となっているのでは?確認してみましょう。
最近は葉そのものの温度を測るのが常識となってきました。
非接触型の温度計も安くなってきましたので、購入してみて色々やってみてはいかがでしょうか?

湿度について・・・
加湿器と除湿機やエアコンの除湿機能を使ってコントロールするのが一般的です。
ハウスなどでは窓の開閉、暖房や噴霧器、送風機などでコントロールします。
植物は湿度により気孔の開き具合も異なります。
人が快適と考える湿度は40-60%ぐらいなのに対して植物が快適と考える湿度は60-80%、種類によっては90%以上とも考えられています。
人が息苦しいぐらいが植物にとっては丁度いい感じなのでしょうか。
湿度の低い冬の時期もそうですが、エアコンを使い温度を下げている夏場も湿度には注意が必要です。
室内栽培においては一部の水耕栽培を除いて、年中加湿器が必要となるかもしれませんね。

しかし、湿度を高い状態で育成しているとカビなどが発生したり、環境面でよくないことも起こります。
光合成のことだけ考えると多湿のほうがよいと思いますが、バラなどの顕花植物はカビにやられてしまうリスクもあります。
一概には言えませんが、花のある植物は成長期は多湿、開花が進むにあたって低くしていくのが現実的ではないでしょうか?
そもそも、実物なら熟成期、花なら咲いてしまった最終の時期などに光合成の効率のことなど考える必要はありません。
それよりも、抵抗力のない最終段階にはダメージを受けない方法を優先させたほうが良いでしょう。

換気について・・・
温室などの閉め切られた環境では新鮮な空気を取り入れ、空気の循環をはかることが大切です。
換気はハウスなどでは天窓を中心に、室内ではファンや換気扇、窓の開閉で行います。
狭い空間で育成している方は、ファンで強制的に換気が必要な場合もあります。

空気は目に見えないので難しいのですが、窓が結露している部屋やカビが発生する環境下では、換気があまり上手くいっていないのではないでしょうか?
測定器などがあればよいのですが、個人レベルではなかなか買うことは難しい高価な器具となり、現実問題無理です。
研究用ですからね、仕方ありません。
やはり、そうなってくると栽培者の感覚を中心に見ていくしかないのですが・・・
まぁ外から帰ってきて息苦しいと感じたら換気しましょうレベルから始めてもOKです。
そのうち、植物の状態を見て判断出来ると思います。
定期的に朝、晩とするのもおすすめです。栽培室のドアを可能な限り開けておくのもよいでしょう。
また、二酸化炭素を使用している方は換気が疎かになりやすく、注意が必要です。

循環について・・・
閉鎖環境での栽培では人工的に整えなければならない要素の一つです。
施設内では空気を動かさない限り、温度、湿度、2酸化炭素濃度にばらつきが発生します。
送風機や換気扇などかくはんしてやることで、室内の空気のそのばらつきを無くします。
空気の通りをよくしてやることで、植物の呼吸を促し、同時にカビの発生や湿気が溜まるのも防ぎます。

換気と循環は異なり、換気は空気を入れ替えること、循環は栽培室の空気を温度をや湿度を一定にすることとなります。
換気だけ、循環だけでは育成は上手くいきません。
両方をバランスよく行うことで、植物が根本的に持っているポテンシャルを引き出すことが出来ます。

一方、過度の送風は植物のストレスや蒸散が促進されることによる、成長不良の原因にもなります。
直接強い風を当てると、気孔は閉じストレスとなるため、絶えず微弱な風を与えるのが最良とされます。
言うのは簡単ですが、これが狭いスペースだとかなり難しくなります。
サーキュレーターや扇風機などで、直接風を当てると風が強すぎてダメージを与えてしまいます。
しかし弱すぎると、葉のまわりの2酸化炭素濃度が低下し光合成能力が落ちてしまいます。
植物の上と下に風を通す、または壁面に一度当ててから散らすなど育成環境に応じた工夫が必要となってきますね。
扇風機の角度を変えてみたり、斜め上から吹き降ろしてみたり、植物の状態を見ながら色々試してみて下さい。

植物の周りの2酸化炭素が低下した状態を葉面境界層と言い、送風等により境界層を作らない事で、光合成が促進されます。
海外の植物工場でよく使われているシステムは、焼き肉屋さんの天井に回っているような配管から栽培室全体に風が吹き出しています。
ある程度の設備が整っている植物工場などでは気流のコントロールが細目に調整出来るので、調整により植物のポテンシャルを引き出すことをお勧めします。

濃度について・・・
植物育成する設備の一つに2酸化炭素(以下CO2)があります。
CO2は水や養分と同様、植物が光合成する上で絶対必要な要素、実際目に見えない為、無関心になりがちです。
閉鎖された空間でのCO2の添加は、空気をよく混ぜないと下にたまり、逆交換となります。
簡単に言うとドライアイスを水入れたら発生する煙が見える形でのCO2です。
あの速度で下に落ちていっているので、複数のサーキュレーターやファンで強制的に循環を促してやらないと上に吊るしただけではすぐ下に溜まってしまいます。
CO2の添加は専用の装置や最近では簡易の発生剤もあります。
植物に最適なCO2の濃度は環境や種類によって異なるので、一概には言えませんが1500ppm-1800ppmぐらいがお勧めです。
CO2は添加するのは簡単ですが、空気を循環させて環境を作ってやらないと、効果を得られないだけではなく、逆に成長を阻害する場合もあり注意が必要です。

近年、植物工場ではCO2を多く発生させるきのこの栽培室から、レタスやトマトに供給するシステムなどが開発されています。 

最後に・・・
上記でいろいろお伝えしてきましたが、植物の育成は決して効率だけで全てが片付くわけではありません。
香りや味、糖度などは効率よく育てることとは異なり、逆に非効率なところにそのポイントがあるように思えます。
特に個人で楽しんでられるユーザーは設備に掛けられる費用や手間も人それぞれです。
研究所や植物工場ではないのですから当たり前ですね。
一定でない環境で育成すると言うことは、毎回条件が変わる中であたりをつけていかなければなりません
あるようでない普遍的な答えを探して、育成していくわけですから難いのは当たり前です。
変わりゆく環境下でどれだけ100%に近づけるか、どれだけ植物の持ち味を出せるかは栽培者のスキルに頼るしか現状不可能です。
観察と経験を繰り返し、どれだけイメージ通り育てることが出来きるか、日々プラントと向き合えば徐々に答えが見えてくることでしょう。

植物の世界はまだまだ不明なところも多く、日々進歩しています。
今回、ペンタキープの関係の方から気孔と葉緑体についてお話を伺え、それらを踏まえた上で栽培テクニックにて報告させて頂きました。
気孔や葉緑体の働きのことなど、私自身も勉強になりました。
1年前と言ってることは違うかもしれませんが、日々新しい知識を仕入れ、良いものは取り入れ、間違っていたものは修正し、進んでいくつもりです。

それではまた次回○○○にて・・・