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 育成テクニック

このコーナーではほとんどの植物に対して有効であるテクニックを随時追加して参ります。

 第1回 「葉水」ハミズ 

葉水を行うとプラントが活性化します。葉水とは葉に直接水を霧吹きなどで掛ける事で葉から水分等を吸収させたり、葉に付いたホコリ等を洗い落とす事です。
葉水の水分吸収の有効性は簡単に実験出来ます。
葉を2つ切り取り、1つをそのまま放置し、1つは葉の部分のみを水につけます。
そのまま放置された葉は数分で萎れてしまいますが、水につけた葉は青々としており全く変化が見られません。
このように葉面から吸水能力は考えている以上に高いものである事が分かります。
そして葉は水分だけでなく養分も吸収します。
水耕栽培では特に不足ぎみな微量元素などはバイオビズのアルガミックなどを全体に散布する事が効果的です。ソイルによる栽培でも葉の艶が良くなります。他にバイオビズのグロウ、フィッシュミックスを葉の裏側に散布すると効果的です。
カルシウムは植物内での移動が遅く葉先まで行き届かない事があります。この場合は葉先が黄色くなる現象が起こります(他の要因もある)この場合もカルシムを含んだ溶液を葉水する事で供給する事が可能です。
また、葉水は水分や養分を与えるだけではなく、夏場などの気温が著しく高い場合には水が蒸発する事で熱を奪い(気化熱)、プラントを冷やす役割も果たします。

葉水の回数は植物によって変わりますが、通常の植物ですと一日一回夕方に行うと良いようです。

注意)どの様な植物でも花に水を掛けると花が痛みます。


 

 第二回 スケジュールと調整について

色々なメーカーから様々な肥料や活力剤が発売されています。
それらを購入した時に付いているスケジュール表、これを頼りに植物を育てていくわけですが、間違った見方で育ててしまうと大事な植物を枯らしかねません。そこで今回はスケジュールについての基礎知識と調整についてです。

スケジュールは全ての植物に対応している訳ではなく、またある程度何の種類にでもそこそこ合う様に作られています。
ほとんどのメーカーの発行するスケジュール表は育成期/開花期のある花や実を付ける例えばトマトやきゅうりなどが基本となっています。
ひとつ葉物を例に上げて考えてみましょう。通常のスケジュールで育ててもたぶん育ちません。
そこで葉物の成長を考えてみて下さい。サラダ菜やレタスなどの葉物は花が咲く前に葉を食べていますよね。つまり生長期で収穫しているのです。
と言う事は、スケジュールの生長期だけの部分だけ見て育てればいいのです。収穫前には真水で肥料抜きすればより美味しく召し上がられます。まず自身の育てる植物がどんな成長過程を経ていくのかしっかり調べてから始めましょう。

GHEのスケジュールを例に解説してきます。
GHEは3本それぞれの肥料配分を変えることによって様々な植物に対応する3パートと呼ばれるケミカル肥料です。



ml/10L
まず左上のml/10Lですが、希釈倍率です。この場合10リッターに対して何ミリリットルということです。

週(Week)
次に週ですが初心者の一番多い失敗はここをよく間違えて解釈してしまいます。
ここでこのスケジュールの意図する週というのは、人間のカレンダーの1週間2週間の意味ではありません。植物の状態のことです。
例えば、人間の赤ちゃん、お医者さんに妊娠3ヶ月目と診断さたとします。
この妊娠3ヶ月という診断結果ですが受精が何時という時間の問題ではなく、赤ちゃんが3ヶ月目の状態ということを意味しています。
それと同じでこのスケジュールも植物の状態が何週目にあるか?が重要なポイントとなります。
屋内での栽培場合、屋外とは違い個々の育成環境により成長速度が異なります。
順調に成長すればよいのですが、3ヶ月で収穫予定の植物も環境により5ヶ月かかることもよくあります。
光量不足、肥料過多/欠乏、害虫や根腐れ等のダメージで遅れる原因は様々です。
しかし植物は状態が遅れても遅れたなりに育っていきいます。この遅れにうまく対応していかなくてはいけませんがそのままスケジュール通りともいきません。
そのままいくと環境にもよりますが最悪枯れたり、枯れないにしても思ったような結果には結び付きません。
例えば実際開花反応から1ヶ月経っていたとしても何かの原因でプラントが2週目の状態であると判断するなら、もう一度、2週目のレシピを繰り返すなどの状態に合わせた調整が必要です。
原因には品種や種類、個体差、特性差、亜種などの植物の遺伝子的な作用も含まれます。
よ~く植物の状態を観察して今このプラントが何週目にあるのか?を自身で判断して施す肥料を決めて下さい。
この判断の速さと良し悪しが、技術つまり腕の差と言われています。

時期
時期は目安です。言葉で簡単にその時の植物の状態を表しています。あくまでもトマトやきゅうり、花などが基本です。

肥料
緑、茶色、赤に色分けされているグロウ/マイクロ/ブルームは希釈の際の肥料分量です。縦軸の時期と週に照らし合わせて配分を決めます。この施肥分量、これもあくまでひとつの目安です。
育てている植物が大きくなればなるほど時期に関係なく肥料を多くしなければなりません。
最終1mのトマトと2mのトマトでは時期は同じトマトでも肥料濃度は当然のように異なります。そして果実や花実の数も肥料濃度に大きな影響を与えます。
肥料濃度は植物の種類や時期によって大食いしたり、ほとんど必要なかったり大変普遍的なものです。また温度によっても肥料の吸収力が違うため、そのあたりの変化も気にして調整することが求められます。
より沢山より品質の高いものを育てようと思うなら肥料の調整は必須となり、その分量を決める軸となるのはスケジュールでも生産者でもなく、植物の状態なのです。
ちなみに当店でGHを使用され蘭を育てているユーザーには標準レシピよりもグロウとマイクロを少し薄くした方が調子が良いと方もおられました。
基本、肥料は薄めからです。沢山与えれば良いというわけでもありません。じょじょに濃度を高くしていき、その植物が欲しがっている時期に合わせて適量を施すことが出来るなら上手く成長させられるでしょう。
特に水耕の場合、肥料過多になりやすいので注意が必要です。

活力剤
最後に活力剤ですが、使えば何かしらの効果は必ずあります。
このスケジュールではRipen(肥抜き剤)BioRoot(発根剤)BioProtect(防病剤)BioBloom(開花促進肥料)DiamondNecter(免疫強化剤)MineralMagic(各種ミネラル)となっていますが、他のメーカーには風味向上剤やビタミンなどもあります。それらを付け加えるのも可能ですし、マニアックなユーザーの中には違うメーカーの発根剤や開花促進剤をブレンドして、濃度調整して与えたりしています。
特に活力剤はメーカー指定のものでも他のメーカーのものでも希釈量さえ調整すればよいので、使う活力剤の特性だけ理解していれば、選択肢はかなり広がります。
育成に慣れてきたユーザーのほとんどはメーカーで揃えるのではなく、いろんなメーカーのお気に入りの活力剤を組み合わせて使っています。
 

 第三回 光の使い方


植物にとって一番大切な要素のひとつです。室内栽培で光量、つまり光の強さはすべての基礎となり、育成株数、施肥量、潅水の回数などに大きく関わってきます。
どんなに美味しい実をつける植物でもどんなに綺麗な花を咲かせる植物でも光がなければ育つことはないでしょう。
しかもそれだけではなく光の照射時間も植物に大きく作用しています。
一年草のほとんどは光の当たっていない時間に反応して花や実を付けたり何かしらの変化を始めます。
葉物などのサラダ菜や白菜などもアブラナ科の植物も大きな意味では同じです。ただ、花が咲く前に収穫してしまう為、花を見ることはなく終えてしまうからです。また室内栽培の場合照射時間を変えない限り、簡単には咲きませんのでまず見ることはないでしょう。

照射時間
これらをふまえると照射時間と光量のコントロールが室内栽培のテクニックの中でもどれだけ重要な要素なのは一目瞭然です。
いちごやトマトなどの実を付ける植物の場合、あれ~??花が咲かないなぁ?などと思われている方、肥料の濃度や温度を疑う前に照射時間の調整を行う必要があります。
スケジュールでは生長期18時間照射-6時間消灯などと決められていますが、これは効率の良さから決められていることです。
例えば自然のサイクルで育てることもひとつ可能です。何の根拠もありませんが、温度や湿度なども含めてそのほうが美味しいものが出来ると説もあります。
基本は対象の植物に適した環境に合わせて照射時間をコントロールしてやることです。
屋内栽培の場合光のコントロールはタイマーで行いますのでスイッチひとつで簡単に行えます。やらない理由は見当たりませんよね。

光の強さ
次に強さについてです。屋外は太陽が中心となります。屋内では照明器具がその役割を担い、波長の問題から植物専用のものを使用するのが好ましいとされています。
当たり前ですが、光はHPS/MHみたいな高出力なものでも蛍光灯でも、はたまたLEDでも照射対象から遠く離せば離すほど弱くなり、近づければ近づけるほど強くなります。
室内栽培の場合、一般的には高さに制限があり大きく成長させるのは難しく、肥料の濃度も高くなることから背丈を大きくさせることは望まれてはいません。
しかしそれだけではなく背丈を高くするとランプと植物の距離が離れていき、どんどん光量を失っていく、このことがのちのちの成長不良を起こしていく根本の原因となります。
光量が足りないばかりに成長が遅れたり、徒長して無駄に大きくなり、その結果スケジュールから外れていき、施肥のタイミングは無茶苦茶、そして最後は肥料焼けや欠乏に悩まされ、枯れたり収穫出来ても少量、低品質という話をよく聞きます。1000wのような非常に高出力なものを使わない限り、いや使ったからと言って絶対と言うわけでもありません、ともかく器具の出力に関わらず光の使い方を誤ると思ったような収穫や感動は得られません。また器具の電源接続方法の間違いや複数の照明器具を使った場合の電源問題、タコ足配線などからくる電圧不足でも光量は低下します。照明器具は点灯すれよいと言うものではありません。その性能を十分に発揮しているのか?設置、接続方法を正しく行われているのか確認する必要があります。

光量が足りなくなる原因

・器具が照明用。
・育てる対象植物の求める光量に対して根本的に器具の出力が足りていない。
・対象植物の成長時期に波長が合っていない。サラダ菜にHPSや赤の波長が多い照明器具、もしくは実を付ける植物で着実の時期にMHや青の波長の多いものを使っている。
・ランプが対象植物から離れている、もしくはランプの出力に対して株数が多くなってしまい必然的に目安の照射範囲よりも広げてしまった。
・疲労によるランプの出力低下、メーカーによってかなりの差がありますが、あるランプ製造メーカーのスタッフの話では1年12時間点灯で2~3割程度、その後は比較的緩やかに5割程度まで出力低下、最終的にそのあたりが各メーカの定めている規定の寿命だろうと言われていました。またランプには出力にバラつきがあって安価なものほど、その差が大きい傾向にあるとも話しておられました。
・電子安定器の消耗による出力低下、もしくはタイマーや電源の電圧不足による出力の低下。
・フットボール方のランプで点灯方向を間違っている。

-例-

スペースが制限される室内栽培の場合、AよりもBの栽培方法の方がはるかに効率が良いとされています。
Aは無駄にプラントを大きくしまう傾向にあり、時間効率も非常に悪くなる可能性があることから、屋内には向いていません。
一方、Bはプラント数はAより少ないですが、十分な光量が得られる為、収穫時期までが短く肥料の配分やタイミング、なにより育成そのものがやり易くなります。
結果的に一年間の収穫数が変わり、メートルあたりの収穫量ははるかにBの方が上ということになります。

誰しもがせっかく育てるからには沢山美味しく収穫したいと考えるのは当然です。
しかしその結果、過剰な光量の照射や過剰な株数の育成、高濃度の液肥、早すぎる収穫、必要のない剪定などやってはいけない行為に及んでしまい、取り返しの付かない色々なトラブルを引き起こしてしまいます。
沢山美味しく収穫する為には鋭い観察力と高い技術、豊富な経験となにより愛情が必要です。
一回や二回やって簡単にわかる程、農業はあまくありません。しかし好奇心と探究心を持ってやり続ければ必ず、わかる日が来るでしょう。

特殊なランプ

1000wだけが使える特殊なランプ。
今のところメーカーから発売されているのは1000wのみのHPS/MHを同時に点灯させるコンバーチブル球。
マニア色が強そうですが実用向きな要素も、移行期や開花期後半、ランプ複数使いのアクセントなど、使い方で可能性は無限大です。


紫外線を多く照射するランプ
開花期後半だけ使用する紫外線を中心に照射する特殊なランプも発売されています。
サンパルス10Kと言う製品ですが、紫外線を収穫前に照射するとある一定の効果(品質向上)が見込めると言われています。
他にもサンパルスは成長期と移行期、幼苗期と細かくわけ、通常のランプの成長期、開花期に比べ、さらに多様な植物に対応できるようになりました。


2011年ますます植物専用ランプの需要が高まっています。現在では照明用ランプは交換球であってもほとんど売れていません。一番の理由は価格が高いこと、それなら電子バラスに買い換えたほうがお得という考えのユーザーが多くなってしまったからです。これからは用途に応じて適材適所ですね。

それでは次回○○○○お楽しみに・・・